はじめに:Javaでもメモリが足りなくなる?
Javaは自動的にメモリを管理してくれる便利な言語です。**ガーベジコレクション(GC)**という仕組みがあり、不要になったデータは自動的に片付けられます。
でも、それでも**メモリ不足(OutOfMemoryError)**は発生します。
この記事では、Javaで「OutOfMemoryError」が出たときに、どうやって原因を見つけ、どのように直せばよいかを、初心者にもわかりやすく解説します。
OutOfMemoryErrorとは?
Javaでプログラムを動かしていると、突然以下のようなメッセージが出ることがあります。
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java.lang.OutOfMemoryError: Java heap space<br> |
これは、「Javaヒープ」と呼ばれる場所に、新しくデータを置くスペースがないという意味です。
他にも次のようなエラーがあります:
GC overhead limit exceeded
:GCががんばりすぎて、アプリが動けないMetaspace
:クラス情報を置くスペースが足りない
なぜOutOfMemoryErrorが起きるのか?
理由1:大きすぎるデータを一気に読み込んでいる
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byte[] bytes = Files.readAllBytes(Paths.get("hugefile.txt"));<br> |
→ 数GBのファイルを一気に読むとヒープが足りなくなります。
理由2:メモリをため込みすぎている
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List<String> list = new ArrayList<>();<br>while (true) {<br> list.add(UUID.randomUUID().toString());<br>}<br> |
→ 無限にデータを追加してメモリを圧迫。
理由3:メモリリークが起きている
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public static List<Object> cache = new ArrayList<>();<br> |
→ staticでキャッシュをずっと持ち続けてしまうとGCされない。
原因調査の方法
1. GCログを見る
JVMの起動オプションに以下を追加して、GCの動きを見ましょう。
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-XX:+PrintGCDetails -XX:+PrintGCTimeStamps -Xloggc:gc.log<br> |
このログを見れば、どこでメモリが減っていないかがわかります。
2. ヒープダンプを取ってみる
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-XX:+HeapDumpOnOutOfMemoryError -XX:HeapDumpPath=/tmp/dump.hprof<br> |
このファイルはVisualVMなどのツールで分析できます。
解決策:JVMのメモリ設定を変える
1. ヒープサイズを増やす
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-Xms512m -Xmx2048m<br> |
-Xms
:起動時のヒープサイズ-Xmx
:最大ヒープサイズ
2. Metaspaceのサイズを増やす
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-XX:MetaspaceSize=128m -XX:MaxMetaspaceSize=512m<br> |
→ クラスが大量にロードされる場合に有効です。
解決策:コードの書き方を見直す
ヒープに優しい書き方
NG例:
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List<String> data = new ArrayList<>();<br>for (String line : Files.readAllLines(Paths.get("bigfile.txt"))) {<br> data.add(line);<br>}<br> |
OK例:
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try (Stream<String> stream = Files.lines(Paths.get("bigfile.txt"))) {<br> stream.forEach(line -> {<br> // 1行ずつ処理<br> });<br>}<br> |
→ ストリーム処理を使うと、メモリの使用量が抑えられます。
ツールを活用して原因を見つけよう
- VisualVM:ヒープ状況の可視化、ヒープダンプ分析
- JConsole / JMC:リアルタイムのメモリモニタリング
- Eclipse MAT:ヒープダンプから詳細なメモリ使用量を分析
失敗例と成功例から学ぼう
失敗例:メモリを増やしただけで放置
原因がコードにあるのに、-Xmx
を上げて対応しても、いずれまたOOMが発生。
成功例:ヒープダンプでリスナーリークを特定
イベントリスナーが解除されておらずメモリリーク発生。解除処理を入れたことで改善。
これから学ぶ人へのアドバイス
Javaのメモリ管理は、初心者にとって難しく感じるかもしれません。でも、基礎をきちんと理解すれば、エラーが出ても落ち着いて対応できます。
まずは、「絶対にJavaプログラマーになりたい人へ。」という本でJavaの基本とメモリの動き方を学びましょう。
もし、それでも不安がある方や、コードレビューや転職支援が欲しい方には、サイゼントアカデミーをおすすめします。
まとめ
- OutOfMemoryErrorは、メモリの使いすぎや設定不足で起きる
- GCログやヒープダンプで原因を探れる
- JVMのオプション調整やコードの見直しが効果的
- ツールを使いこなすことで、より早く問題を解決できる
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