はじめに
Webアプリケーション開発において、JSP（JavaServer Pages） は動的なWebページを作成するための基本技術です。Javaサーブレットと同様にサーバーサイド技術ですが、JSPはHTMLとJavaコードを組み合わせて、効率的に動的なコンテンツを生成できます。
この記事では、JSPの基本概念から使い方、簡単なサンプルコード、そして実際の開発の流れを 初心者向け に分かりやすく解説します。
1. JSPとは何か？
JSP（JavaServer Pages） とは、HTMLベースのファイル内にJavaコードを埋め込んで動的にWebページを生成する技術です。サーバーサイドで動作し、Servlet技術を基盤として動いています。
JSPの特徴
- HTMLとJavaの融合：HTMLにJavaのコードを直接埋め込める。
- サーブレットの簡略化：複雑なHTML出力をシンプルに記述可能。
- 動的ページ生成：データベース連携やユーザー入力に応じたページ生成。
- 再利用性：カスタムタグやJSPファイルのインクルードにより効率化。
2. JSPを使うための準備
必要な環境
- JDK（Java Development Kit）：Java 8以上を推奨。
- 統合開発環境（IDE）：EclipseやIntelliJ IDEAなど。
- Apache Tomcat：JSPとServletを実行するためのWebサーバー。
開発環境のセットアップ
- JDKインストール:bashコードをコピーする
java -version - Apache Tomcatインストール: Tomcat公式サイトからダウンロードし、設定します。
- Eclipseの設定:
- 新しい「Dynamic Web Project」を作成。
- Apache Tomcatをサーバーに追加。
3. JSPの基本構文
JSPファイルの拡張子は .jsp です。HTMLとJavaコードが組み合わさることで動的なページを作成できます。
JSPの基本構文
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<%@ page contentType="text/html" %><br><html><br><head><br> <title>JSP 入門</title><br></head><br><body><br> <h1>こんにちは、JSP!</h1><br> <p>現在時刻: <%= new java.util.Date() %></p><br></body><br></html><br> |
コードの解説
<%@ page %>: JSPページの設定を行うディレクティブ。contentTypeはレスポンスの形式（例: HTML）。
- HTMLタグ: 通常のHTMLを記述。
<%= %>: Javaコードを評価して出力するスクリプトレット。
4. JSPの基本要素
4.1 スクリプトレット
Javaコードを記述するための領域です。<% %> の中にJavaコードを書きます。
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1 |
<%<br> int sum = 0;<br> for (int i = 1; i <= 10; i++) {<br> sum += i;<br> }<br>%><br><p>1から10の合計: <%= sum %></p><br> |
4.2 式（Expression）
Javaの変数やメソッドを出力する場合は <%= %> を使用します。
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<p>今日の日付: <%= new java.util.Date() %></p><br> |
4.3 宣言（Declaration）
JSPファイル内でメソッドや変数を宣言する際は <%! %> を使用します。
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<%! <br> int add(int a, int b) {<br> return a + b;<br> }<br>%><br><p>1 + 2 = <%= add(1, 2) %></p><br> |
4.4 コメント
JSPにはHTMLコメントとJavaコメントがあります。
- HTMLコメント:
<!-- -->（ブラウザ側に表示される） - JSPコメント:
<%-- --%>（サーバー側のみ）
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<!-- HTMLコメント --><br><%-- JSPコメント --%><br> |
5. JSPとサーブレットの連携
JSP単体でも動的なページを生成できますが、サーブレットと連携することでさらに強力なアプリケーションを構築できます。
サンプル: サーブレットからJSPへデータを渡す
サーブレットコード
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import java.io.*;<br>import javax.servlet.*;<br>import javax.servlet.http.*;<br><br>public class WelcomeServlet extends HttpServlet {<br> protected void doGet(HttpServletRequest request, HttpServletResponse response)<br> throws ServletException, IOException {<br> request.setAttribute("message", "サーブレットからJSPへデータを渡します！");<br> RequestDispatcher dispatcher = request.getRequestDispatcher("welcome.jsp");<br> dispatcher.forward(request, response);<br> }<br>}<br> |
JSPコード（welcome.jsp）
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1 |
<html><br><body><br> <h1>サーブレットとJSPの連携</h1><br> <p><%= request.getAttribute("message") %></p><br></body><br></html><br> |
実行手順
- URLマッピングをサーブレットに設定（web.xml または
@WebServlet）。 - サーブレットを実行 → JSPにデータが表示される。
6. JSPのディレクティブとアクションタグ
ディレクティブ
ディレクティブはJSPファイルの設定やコンパイル時の情報を指定します。
<%@ page %>: ページ設定。<%@ include %>: JSPファイルをインクルード。<%@ taglib %>: カスタムタグライブラリの設定。
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<%@ include file="header.jsp" %><br> |
アクションタグ
JSPアクションタグは、JSP内でサーブレット機能を実行するためのタグです。
<jsp:include>: 他のJSPをインクルード。<jsp:forward>: リクエストを別のJSP/サーブレットに転送。
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<jsp:include page="footer.jsp" /><br> |
7. JSPとデータベース連携
JSPからデータベースに接続
JDBCを使用してデータベースと連携します。
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<%@ page import="java.sql.*" %><br><%<br> String url = "jdbc:mysql://localhost:3306/testdb";<br> String user = "root";<br> String password = "password";<br><br> Connection conn = DriverManager.getConnection(url, user, password);<br> Statement stmt = conn.createStatement();<br> ResultSet rs = stmt.executeQuery("SELECT * FROM users");<br><br> while (rs.next()) {<br>%><br> <p><%= rs.getString("username") %></p><br><%<br> }<br> conn.close();<br>%><br> |
8. JSPの注意点とベストプラクティス
- ビジネスロジックの分離: JSPにはロジックを詰め込みすぎず、サーブレットやバックエンドで処理する。
- MVCアーキテクチャ: JSPは「ビュー」、サーブレットは「コントローラー」として役割分担を行う。
- セキュリティ対策: SQLインジェクション防止のため、プリペアドステートメントを使用する。
9. まとめ
JSPはJavaサーバーサイド開発における基本技術であり、サーブレットと組み合わせることで強力なWebアプリケーションを構築できます。HTMLとJavaをシームレスに統合することで、動的コンテンツを簡単に生成できるのがJSPの魅力です。
次のステップ
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