はじめに
Javaを学んでいると、「enum
(列挙型)」と「switch
文」の組み合わせがよく出てきます。
でも、なぜわざわざこの2つをセットで使うのでしょうか?
この記事では、Javaの switch
文と enum
の相性が抜群に良い理由を、図・コード・表を使ってわかりやすく解説します!
1. そもそもenumってなに?
簡単に言うと「決まった値だけを使える特別な型」
enum
は、「選択肢が限られている値」を表現するためのものです。
例えば「曜日」「季節」「方角」など、意味のある決まった値だけを扱いたいときに使います。
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public enum Season { SPRING, SUMMER, AUTUMN, WINTER } |
このように宣言しておくと、以下のように使えます。
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Season now = Season.SUMMER; |
2. switch文ってなに?
複数の選択肢を分岐するための文
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switch (season) { case SPRING: System.out.println("春です"); break; case SUMMER: System.out.println("夏です"); break; } |
switch
文は、ある変数の値に応じて処理を分けたいときに便利な構文です。
特に enum
のように「限られた選択肢」があるときには、とても使いやすくなります。
3. なぜenumとswitch文は相性がいいの?
理由は大きく5つあります!
【理由1】型安全でバグが起きにくい!
enum
を使えば、間違った値を代入できません。
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Season season = Season.SPRING; // Season season = "SOMETHING"; ← これはエラー! |
これによって、switch
文の中で間違った条件を判定するリスクが激減します。
【理由2】すべての値が見えるから可読性が高い!
switch
文は enum
のすべての値を並べることができるので、何を判定しているのかが一目で分かります。
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switch (direction) { case NORTH: ... case EAST: ... case SOUTH: ... case WEST: ... } |
if-else
で書くよりもスッキリして見やすくなります。
【理由3】コンパイラが網羅性をチェックしてくれる!
Javaの新しいバージョン(Java17以降)では、switch式が導入され、enum
のすべての値を扱っているかをチェックしてくれます。
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int result = switch (status) { case OK -> 1; case ERROR -> 0; // すべてのケースを扱っていれば、default が不要に! }; |
これにより、漏れがない安全なコードが書けるようになりました。
【理由4】実行速度が速い!
enum
と switch
を組み合わせたコードは、コンパイル時に効率的な命令に変換されるため、if文の連続よりも高速に処理されることが多いです。
パフォーマンスが重要なアプリでは、大きな違いになります。
【理由5】enumには便利な機能もある!
enum
はただの定数集ではありません。フィールドやメソッドを持つこともできるオブジェクトです。
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public enum Rank { BRONZE(1), SILVER(2), GOLD(3); private int level; Rank(int level) { this.level = level; } public int getLevel() { return level; } } |
これを switch
文と組み合わせれば、柔軟で拡張性の高い処理ができます!
4. 実際のコード例で確認しよう!
① 基本的な使い方
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public enum Day { MONDAY, TUESDAY, WEDNESDAY } public class Main { public static void main(String[] args) { Day today = Day.TUESDAY; switch (today) { case MONDAY: System.out.println("週の始まり!"); break; case TUESDAY: System.out.println("まだ火曜日…"); break; case WEDNESDAY: System.out.println("週の真ん中!"); break; } } } |
② Java17以降のswitch式を使った例
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public enum Status { SUCCESS, ERROR, PENDING } public class Main { public static void main(String[] args) { Status status = Status.SUCCESS; String message = switch (status) { case SUCCESS -> "成功しました!"; case ERROR -> "エラーが発生しました"; case PENDING -> "処理中です"; }; System.out.println(message); } } |
5. まとめ表で振り返ろう!
特徴 | enumとswitchの関係性 |
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型安全 | enumにより誤入力が起きにくい |
可読性 | すべての選択肢が明示され、見やすい |
網羅性チェック | Java 17+で漏れが検出される |
処理速度 | 最適化により高速に実行できる |
拡張性 | enumがオブジェクトとして使える |
Javaのswitchとenumをマスターしよう!
これからJavaを使って本格的な開発を目指すなら、switchとenumの組み合わせは避けて通れない重要テクニックです。
しっかり理解しておけば、より読みやすく安全で効率の良いコードが書けるようになります!
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おわりに
enum
と switch
の相性は抜群!という理由が、少しでも伝わったら嬉しいです。
コードがもっと読みやすく、もっと安全になるこのテクニック、ぜひ活用していきましょう!
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