はじめに
プログラミングにバグはつきものです。「コードは正しいはずなのに、動かない…」そんなときに大活躍するのがデバッグです。
この記事では、Java初心者が覚えておくべき基本のデバッグ方法から、開発現場でよく使うテクニックやツールの使い方までをわかりやすく解説します。
1. デバッグとは?
デバッグ(debug)とは、「プログラムのバグ(不具合)を見つけて直す作業」のことです。Javaでは、以下のような不具合が起こりがちです。
- 想定外の動きをする
- 実行時エラーが出る
- 条件分岐が思った通りに動いていない
2. デバッグの基本ステップ
- バグの再現:どんなときに不具合が起こるか明確にする
- 原因の特定:処理の流れや変数の中身を確認する
- 修正:間違いを直す
- 再確認:同じバグが再発しないかチェック
3. System.out.printlnデバッグ
最も基本的で、すぐに使える方法です。
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int x = 10;<br>System.out.println("xの値は:" + x);<br> |
このように、「今この変数に何が入っているか」を目で確認することで、バグの原因を突き止めやすくなります。
4. IDE(Eclipse / IntelliJ)でのブレークポイント
ブレークポイントとは、「プログラムの実行を途中で止めて、中の状態を確認できるポイント」のことです。
💡 やり方(Eclipse例)
- コードの左側の行番号をクリックしてブレークポイントを設定
- 「デバッグ実行」をクリック
- 実行が止まり、変数の中身や処理の流れが確認できる
✅ よく使う機能
- Step Over:次の行に進む
- Step Into:メソッドの中に入ってデバッグ
- Step Return:現在のメソッドから戻る
5. コマンドラインデバッグ(jdb)
IDEを使わずに、ターミナルでデバッグすることも可能です。
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javac -g Main.java<br>jdb Main<br> |
-g
オプションを付けてコンパイルすると、デバッグ情報が含まれます。
jdbでは次のような操作が可能です:
stop at Main:10
→ 10行目にブレークポイントrun
→ プログラムの実行print x
→ 変数xの中身を表示
6. ログを使ったデバッグ
System.out.println()
を使うのも良いですが、より本格的にログを扱うには ログフレームワーク の活用が便利です。
よく使われるログツール
java.util.logging
Log4j
SLF4J
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Logger logger = Logger.getLogger("MyLogger");<br>logger.info("現在のxの値は:" + x);<br> |
ログレベル(INFO、DEBUG、ERRORなど)を使い分けることで、必要な情報だけを効率よく確認できます。
7. スタックトレースを読む力をつけよう
エラーが発生したとき、Javaは「スタックトレース」という情報を出します。
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Exception in thread "main" java.lang.NullPointerException<br> at Main.main(Main.java:7)<br> |
- Main.java:7 → 7行目でエラーが発生した
- どのクラスのどのメソッドで発生したかがわかる
✅ ポイントは「ファイル名」「行番号」「エラー内容」
8. JUnitで自動テスト+デバッグ
JUnitを使うと、あらかじめ決めた条件で自動的にテストを実行し、バグを早期に発見できます。
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@Test<br>public void testAddition() {<br> assertEquals(5, Calculator.add(2, 3));<br>}<br> |
JUnitでテストが失敗したとき、その部分にブレークポイントを設定してデバッグするのが現場の定番スタイルです。
9. チーム開発でのバグ対応
チーム開発では、以下のような「共有」が重要です:
- エラーログを共有(Slackなど)
- スクリーンショットや再現手順を書く
- GitHub IssuesやJIRAでタスク管理
10. 学習の進め方
デバッグの力をつけるには、実際にバグに向き合い、試行錯誤することが大切です。
まずは「絶対にJavaプログラマーになりたい人へ。」で、Javaの基本とエラー対処法を理解しましょう。
そして、「サイゼントアカデミー」では、コードレビューやバグ対応の相談もできます。現場で必要なスキルを実践的に身につけたい方におすすめです!
まとめ
- デバッグとは、バグを見つけて直す作業
- printlnで変数の中身を確認するのが基本
- IDEのブレークポイントで一時停止&確認が便利
- jdbやログ出力で細かく追跡できる
- スタックトレースやJUnitで問題箇所を特定する技術も重要
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