Spring Bootを使い始めたとき、
多くの人がこう感じます。
- 設定していないのにWebアプリが起動する
- データベースにつながる
- Beanを定義していないのに処理が動く
正直に言えば、
ちょっと怖い
と感じた人も多いのではないでしょうか。
「何が起きているか分からないけど、とりあえず動く」
しかしこの状態は、
長くSpring Bootを使うほど、足を引っ張ります。
この記事では、
- Spring Bootの自動構成とは何か
- なぜ設定なしで動くのか
- どこまで面倒を見てくれるのか
- どうやって制御すればいいのか
を、
初心者にも分かる言葉で、でも設計レベルまで
ゆっくり解説します。
Spring Bootの自動構成とは何か
まず結論からいきましょう。
自動構成を一言で言うと
「条件がそろっていれば、ちょうどいい初期設定を自動で入れてくれる仕組み」
これが、Spring Bootの自動構成です。
よくある誤解
自動構成という言葉から、
こんなイメージを持つ人がいます。
- 何でも勝手に決められる
- 強制的に設定される
- ブラックボックス
ですが、実際は違います。
Spring Bootは、
「人がやると面倒な初期設定」を代わりにやっているだけ
です。
なぜ設定していないのに動くのか
ここが一番の疑問ポイントでしょう。
依存関係を追加しただけで起きること
Spring Bootでは、
- Web用の依存関係を入れる
- DB用の依存関係を入れる
それだけで、
必要そうな設定を自動で考えます。
これは、
- 昔のSpringで毎回やっていた設定
- ほとんど同じ内容になる設定
を、Bootが肩代わりしているからです。
自動構成の基本思想
Spring Bootは、次のように考えています。
- このライブラリがある
- ということは、この機能を使いたいはず
- なら、まずはこの設定を入れておこう
つまり、
「使うであろう前提で、無難な初期設定をする」
これが自動構成の正体です。
自動構成はいつ実行されているのか
「勝手に設定される」と感じる理由は、
タイミングが見えにくい
からです。
アプリ起動時に起きていること
Spring Bootアプリが起動するとき、
裏側では次の流れが進みます。
- 設定クラスを読み込む
- 条件を確認する
- 条件に合えばBeanを作る
この時点で、
自動構成はほぼ完了
しています。
実行時に決まるのではない
重要なのは、
- リクエスト時に動く
- 使われた瞬間に決まる
わけではない、という点です。
起動時にすでに決まっている
これを理解すると、
- 起動が遅くなる理由
- 設定が効かない理由
も見えてきます。
自動構成は何を見て判断しているのか
Spring Bootは、
適当に判断しているわけではありません。
見ているポイント
主に、次のような条件を見ています。
- クラスが存在するか
- 設定値が定義されているか
- すでにBeanが登録されていないか
これらを組み合わせて、
「今、このアプリに必要かどうか」
を判断しています。
「条件付き」という考え方
自動構成の最大の特徴は、
条件付き
であることです。
- 条件が合えば有効
- 合わなければ何もしない
だからこそ、
- 自分で定義した設定が優先される
- 勝手に上書きされない
という設計になっています。
よくある「自動構成のせいで困る」場面
ここからは、実務あるあるです。
よくある困りごと
- DB設定をしていないのに接続しようとする
- 使っていないはずの機能が有効になる
- 設定を変えたのに反映されない
これらは、
自動構成を理解していないこと
が原因です。
なぜこうなるのか
多くの場合、
- 依存関係を入れた
- =使う意思がある
とBootが判断しているだけです。
つまり、
「自動構成が悪い」のではなく、
「意思表示が曖昧」
という状態です。
自動構成は上書きできる
ここはとても大事なポイントです。
「自動」は強制ではない
Spring Bootでは、
自分で定義したものが最優先
というルールがあります。
- 自分でBeanを定義すれば
- 自動構成は引っ込む
これは、
- 設計を壊さないため
- 開発者の意思を尊重するため
の重要な設計です。
自動構成は補助役
Spring Bootの立場は、
あくまでこうです。
「何も指定がなければ、ここまでやるよ」
つまり、
主役は常に開発者
なのです。
自動構成を無効化・調整する考え方
「じゃあ、全部切ればいいのでは」
と思うかもしれません。
全部切るのが危険な理由
自動構成を全部無効にすると、
- Bootのメリットが消える
- 設定地獄に戻る
という本末転倒な状態になります。
大切なのは、
必要な部分だけを理解して制御する
という考え方です。
Bootを怖がらなくていい理由
自動構成は、
- 条件付き
- 上書き可能
- 設計思想が一貫している
ため、
理解すればコントロール可能
です。
Spring Bootが目指している思想
ここで、一段視点を上げましょう。
Bootの目的は「設定をなくす」ではない
Spring Bootの目的は、
- 設定をゼロにする
ではなく - 考えなくていい部分を減らす
ことです。
Javaの設計思想との相性
Javaはもともと、
- 設計を重視する
- 明示的な構造を好む
言語です。
Spring Bootは、
- 初期値は用意する
- でも、変更は自由
という形で、
Javaの思想と非常に相性が良い設計になっています。
依存注入・自動構成・設計はつながっている
これまでの記事で扱ってきた、
- 依存注入
- Bean管理
と、自動構成は深くつながっています。
なぜDIがあるから自動構成できるのか
依存注入があるからこそ、
- Beanを差し替えられる
- 自動構成を引っ込められる
という仕組みが成立しています。
DIが土台、自動構成が便利機能
この関係を理解すると、
Spring Boot全体が一本の線でつながります。
まとめ
最後に、この記事の要点をまとめます。
- 自動構成は魔法ではない
- 条件に応じた「親切な初期設定」
- 自分の設定が常に優先される
- 理解するとSpring Bootは怖くなくなる
Spring Bootは、
考えなくていい部分を減らし、
考えるべき部分に集中させてくれる道具
です。
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自動構成が理解できたとき、
Spring Bootはブラックボックスではなく、
とても素直で親切なフレームワーク
に見えてきます。
一歩ずつ、
設計が分かるJavaエンジニア
になっていきましょう。

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