はじめに
Java を勉強していると、こんな疑問を持ったことはありませんか。
- assert 文って何のためにあるの
- 使える機能なのに、なぜ非推奨と言われるの
- ユニットテストと何が違うの
assert 文は Java に用意されている正式な機能です。
それなのに、現場では
「使わない方がいい」
「本番コードでは書かない」
と言われることが多いです。
この記事では、
assert 文の正しい使いどころ と
非推奨と言われる理由 を、
プログラミング初心者でも分かるように解説します。
assert 文とは何か
assert 文は、
「ここは絶対にこうなっているはず」
という前提条件を確認するための仕組みです。
文法はとてもシンプルです。
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assert 条件; |
条件が成り立たない場合、プログラムはエラーになります。
assert 文の特徴
assert 文には、他の仕組みにはない特徴があります。
- 実行時に有効・無効を切り替えられる
- デフォルトでは無効になっている
- 開発中のチェックを目的としている
ここが 一番重要なポイント です。
assert 文の本来の使いどころ
開発中の前提条件チェック
assert 文は
「ここに来るまでの処理が正しければ、必ず成り立つ条件」
を確認するために使います。
例として、こんなケースです。
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public int divide(int a, int b) { assert b != zero; return a / b; } |
この assert は
「このメソッドが呼ばれる時点で、割る数がゼロではない」
という 開発者同士の約束 をチェックしています。
絶対に起きないはずの状態の確認
ロジック上、どう考えても起きない状態を確認するのも
assert 文の使いどころです。
- この分岐に来ることはありえない
- この値は必ずセットされている
こうした「設計上の前提」をコードに残す役割があります。
assert 文が非推奨と言われる理由
本番環境では無効になる可能性がある
assert 文は、実行オプションによって 無効化 できます。
そして多くの本番環境では、最初から無効になっています。
つまり
書いても実行されない可能性がある
ということです。
エラー処理として使うには、致命的な欠点です。
バグ検知として信頼できない
assert によるチェックが
- 動く環境と
- 動かない環境
で変わるとしたらどうでしょうか。
「環境によってエラーになったり、ならなかったりする」
コードは、非常に危険です。
Java では
常に同じ振る舞いをするコード
が強く求められます。
エラーハンドリングの役割ではない
assert 文は
「プログラムのミスを見つける」
ためのものです。
一方、例外処理は
「想定されるエラーに対応する」
ための仕組みです。
この二つを混同すると、
読みづらく、保守しづらいコードになります。
assert と例外処理の違い
assert を使ってはいけないケース
- ユーザー入力のチェック
- 外部データの検証
- 起こり得るエラーへの対応
これらはすべて 例外処理の仕事 です。
例外を使うべきケース
Java では、
「起こり得ること」
は必ず例外として扱います。
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if (b == zero) { throw new IllegalArgumentException(); } |
この方が
- 意図が明確
- 本番でも必ず動く
- 読む人に優しい
というメリットがあります。
assert とユニットテストの違い
assert はテストの代わりにならない
assert 文は
ユニットテストの代わりではありません。
ユニットテストは
- 常に実行される
- 自動化できる
- 品質を守る仕組み
assert 文は
- 実行されないことがある
- テスト結果が残らない
という違いがあります。
Java における正しい品質担保
Java の現場では
- ユニットテストで仕様を守る
- 例外処理でエラーに対応する
- assert で開発者の前提を確認する
という役割分担が理想です。
初心者がやりがちな assert の間違い
本番ロジックに書いてしまう
assert を
「エラー処理の代わり」
として使ってしまうのは、よくある間違いです。
テストコードと混同する
assert という名前が似ているため、
ユニットテストの assert と混同しがちですが、
まったく別物です。
実務での正しい判断基準
assert を使ってよい場面
- 開発中の前提条件チェック
- デバッグ目的
- 絶対に起きないはずの状態
使わない方がよい場面
- 本番のエラー処理
- ユーザー向けのチェック
- 業務ロジックの分岐
この判断ができると
Java プログラマーとして一段レベルが上がります。
Java プログラマーを目指す人へ
assert 文を理解することは
「使うか使わないか」ではなく
Java の設計思想を理解すること にあります。
- テスト
- 例外
- 前提条件
これらを正しく使い分けられる人は
現場でとても重宝されます。
まずは自己学習から
Java の考え方をしっかり身につけたい人は、
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基礎から順序立てて理解できます。
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まとめ
assert 文は
- 開発者の前提条件を守るためのもの
- エラー処理やテストの代わりではない
Java では
役割を正しく使い分けること がとても大切です。
assert 文の位置づけを理解して、
より安全で読みやすい Java コードを書いていきましょう。

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